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マルチアセット取引。マルチアセットクラスとは。

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マルチアセット取引はブローカー業者がサービス機能とアクセス の拡大を試みるにつれ、近年盛り上がりを見せています。これに並行し、特に 今般の世界経済や地政学的不安定さの中、トレーダーはマルチアセットのストラテジーを多く組み入れるようになりました。本記事ではマルチアセットクラスそのものと、マルチアセットクラスがトレーダーとブローカー業者に与える投資機会について説明していきます。



マルチアセットクラスとは

マルチアセットクラスとは投資に使用する多様なアセットクラスの組み合わせのことで、アセットのポートフォリオとなります。マルチアセットクラスの投資は複数のアセットに投資を分散するため、全体的なポートフォリを多様化することになります。 マルチアセット取引がトレーダーの間で人気になった理由をいくつか記載したいと思います。

多様な投資機会 一つのマーケットで あまり動きがなくても、他のマーケットで動きが活発になっていることがあります。シングルアセットでしか取引していないトレーダーにとっては最適な投資機会を失うことになるかもしれませんが、マルチアセットブローカー業者を通せば幅広い金融商品へのアクセスが可能となり、上昇と下落の両方のマーケットで利益を得る機会があります。例えばトレーダーは株式の長期的ポジションを取る一方、短期的なマーケットの動きを捉えるために先物のデイトレードを行うことができます。

タクティカル・アセット・アロケーション(戦術的資産配分) アセットの違いによってビジネスサイクルのパフォーマンスが異なることが多いため、トレーダーはこの異なるパフォーマンスサイクルをうまく捉え、利益獲得の可能性が一番高いアセットクラスに資金を配分しようとします。このストラテジーはタクティカル・アセット・アロケーション(戦術的資産配分)と言われ、幅広い金融商品とマルチアセットクラスへのアクセスが必要となります。例えば、不況の前兆を感じた場合、トレーダーは金のような安全な資産に資金を移動させるかもしれません。

ヘッジ ヘッジとは多くのトレーダーが取り入れるリスクマネージメントのストラテジーで、コアな投資資産に対して短期的なリスクを回避するために用いられます。例えば、テック株のポートフォリを持っているトレーダーがこれから出るNFP(米国非農業部門雇用者数)の発表に関して不安を持ち、更に先物やオプションといったデリバティブ商品にアクセスがある場合、ナスダックなどのインデックスに対してショートポジションをとり、この発表期間中の損失の可能性に対してヘッジすることができます。

分散投資 分散されたポートフォリオを持つことは正しい投資を行うための原則となります。一つの資産に全ての資金を投入しないことによって全体的なリスクを軽減することができます。これによってボラティリティーのある市場をうまくハンドリングしながら安定した継続的なリターンを得やすくなります。株式に投資しているトレーダーは幅広いセクターの株に投資することによってリスクを分散することができるかもしれませんが、FX、エクィテイー、コモディティ等のマルチアセットクラスでのポジションを持っていた方が、より安全なアプローチ方法になるかもしれません。

レバレッジ マルチアセットのブローカー業者の多くはクライアントにマージンアカウントを提供し、レバレッジをかけたデリバティブ取引を可能にしてくれます。トレーダー経験者は資金の効率的な資金運用ができるレバレッジ取引を好む傾向があります。デリバティブのレバレッジ取引は今まで取引できなかった市場へのアクセスやそれ以外では不可能なポジションのサイズで取引することが可能となり、利益の最大化を図ることができます(ただし、損失の最大化のリスクもあります)。

幅広い金融商品へのアクセスはトレーダーだけではなく、ブローカー業者にとってもメリットがあります。ただし、システムやテクノロジーの観点から、マルチアセット取引は複数のベニューにつながっていないといけないため、複雑でもあります。マルチアセットのトレーディングプラットフォームは各種アセットを取り締まっている規制を考慮する必要があり、リスクマネージメントの観点から複雑になりがちです。しかし、最近多くのブローカーは複数のアセットへの速く効率的なアクセスを可能にするプラットフォームを運用しており、競争優位性を保っています。

このように、マルチアセット取引が伸びている理由は複数あります。また、「as a Service」としてのテクノロジーモデルと近年開発された数百もの金融APIの台頭により、マルチアセット取引はトレーダーにとって身近になっただけでなく、金融サービスの幅を広げようとしているブローカー業者にとっても容易でコスト効率のよい選択肢となりました。

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